営業をやっていると、誰もが一度や二度は経験するであろう「スランプ」
今回は、営業のスランプについて悩んでいる方からの質問に、お答えしたいと思います。
【ページの目次】
相談内容
回答
そう感じたとき、まず、早急にやるべきことは、それ以上「スランプの深み」にハマらないようにすること。
そこで、まずは、「スランプの深み」にハマらないために必要な考え方からお話ししましょう。
営業スランプの深みにハマらないために。
一生懸命ガンバっているにも関わらず、スランプになり苦しむ営業は少なくありません。
そうなると、どんどん不安になり焦ってしまうものですが、悪いときに「焦る」のは、ある意味当たり前ですし、それが人間。
しかし、営業で何よりも大切なことは、どんな状況になったとしても焦ることなく「落ち着き、ゆとりを持つこと」です。
簡単に言えば、焦りを感じたなら、まずは「落ち着いて」「気楽」になるということ。
そうでなければ、判断も、方法論も、決断もすべてが「不安や恐れ」の中で行われることになるので、結果、ますます悪循環にはまり込んでしまうのです。
なぜ、分かるのか?
それは、私が経験したからです。
「何とかしなくては!」と焦りながらも、そのときは「自分は冷静だ!」「これなら間違いない!」と決断したことでも「不安や恐れ」を抱えたままの判断は全く上手くいかないどころか、ますます泥沼にはまり込み、後で考えたら「あの時、どうしてあんな決断をしたんだろう・・・」と、後悔だらけ。
今でこそ、そんなことは無くなりましたが、それほどまでに「不安」「恐怖」「焦り」というものは人を惑わすもの。
営業は、期待されれば、それだけ大きな数字を求められ、責任を感じ、その結果プレッシャーは強大なものとなり、少しでも歯車が狂えば、とたんに「悪い想像」が頭をめぐり、不安や恐怖に襲われ、焦りはじめる。
しかし、だからこそ、まずは「不安や恐怖」を防ぐ防御策が必要になるのです。
そのためには、この「不安や恐怖からくる焦り」のすべては「自分の想像が生んだものであり、現実には何一つ起きていない」という事実を理解することが、防御策の初めの一歩。
重要なことなので、もう一度。
「想像からあふれ出る不安・恐怖」からくる「焦り」であり、
それは、あなたの心の中での出来事であって、現実には起きていない。
だから、まず冷静になることが大切なのです。
思うように売れなくなって不安を感じ、心が焦り始めたなら、まずは「冷静になる」こと。
そして「大丈夫!大丈夫!」と、心の中の不安がなくなるまで言い続けること。
心の中でもいいし、口に出してもいい。
とにかく、心の中の不安が無くなるまでは、余計な行動や方法を考えずに、とにかく自分自身に言い聞かせるように言い続けること。
とりあえず、これで「スランプの深みにハマること」は防げます。
心が動揺すれば、それは現実にも影響を及ぼします。
たとえば・・・
サッカー選手が、ゴールを外す原因は、練習不足ではありません。
「ゴールを打たなくては!」と焦ったからです。
ゴルフ選手が、30センチほどのパットを外すのも練習不足ではありません。
「このパットは入れなくては!」と焦るからです。
プロですら「焦る」だけで、普通であればうまく出来ることが、途端に出来なくなるのです。
あなたの悪い想像から生まれる「不安」や「恐怖」「焦り」に何一つメリットはありません。
これは、精神論でも、まやかしでもない、どんな状況下であろうとも、自分をコントロールする唯一の「方法論」であり、本当に、本当に、大切なことです。
スランプになったと感じたら、まず最初にやるべきことは
「焦ることなく落ち着き、深みにハマらないようにすることが重要」
というのは分かってもらえたと思います。
では次に、その上で「どのようにスランプを克服すればいいのか」を考えてみたいと思います。
スランプの3つの原因と対策方法
スランプには、様々な要因がありますから「これが原因だ!」と一概には言えませんが「よくある3つの原因」として、次のことが考えられます。
まず、ひとつめは、、、
これまで説得力のある営業をしていた人がスランプになったとたん、説得力を失ってしまうことがあります。
その原因は「迷いが生まれ、自信を失っている」から。
「迷いと自信」は「反比例」します。
つまり、迷いが大きく「増える」ほど、自信は大きく「失い」ます。
逆に言えば、自信満々の人には、心に迷いがありません。
迷いがないから、説得力もある。
説得力があるから、お客もその営業を信頼する。
だから、売れるのです。
では、どうすればいいのか?
「迷いの元凶」を断ち切ることです。
売れている時にはなかった「迷い」が出た場合、その迷いの原因というものがあるはずです。
例えば、、、よくある事例として、
「契約したお客さんからのクレーム」であったり「商品や会社に対する不信感」など。
もし、それらが原因となり迷いが生じているのであれば、その原因を解決することです。
たとえば、原因がクレームであれば、クレームに対する健全な受け取り方や考え方を学ばなければいけませんし、原因が不信感であるのなら、その不信感は客観的なモノなのかを分析しつつ、世の中には完璧な商品や会社などは存在しないということも、考慮したうえで商品や会社、そして自分自身と向き合うべきでしょう。
この部分を詳しく話すと、それだけでひとつの教材が出来るほどの量になるので、ここではこのくらいにしておきますが、とにかく、その迷いを拭い去り、腹をくくることで、再び説得力のある営業に戻ることが出来るようになります。
しかし、、、問題は、、、
その迷いが払しょくされるまでの間、スランプ状態をどうすればいいのかですよね。
そこで、それまでの「つなぎの方法」として出来ることがあります。
それは「演じること」です。
表現を変えれば、あなたが役者になるということです。
つまり、営業トークに説得力を持たせるには、どういう表情で、どういうトーンで、どういう強調語を使っているのか。
これを意識的にやるのです。
もし、あなたが説得力のある営業だったのであれば、鏡を見て何度か練習すれば、前の感覚を思い出してすぐに出来るようになるはずです。
それでもよく分からなければ、あなたが「説得力があるな~」と思う「俳優」や「役者」の映画やドラマを見て、研究するんです。
話し方、トーン、強調ポイント、表情、目線、身振り、手振り、など、「この役者さんは、なぜ説得力があるのか?」を、あなたなりに分析するのです。
そして、真似る。
出来る出来ないにかかわらず、とにかく真似て真似て、練習をする。
そうすれば、100%とは言わないまでも、かなり説得力のある営業に戻ることが出来るようになります。
ちないに、私の経験上、多少、自分でも「少しオーバーかな~」と思うくらいが、お客には伝わるようです。
ちなみに、この技術を身に付けると、多少の体調不良やプライベートな悩み事などがあっても、自分の心の状態とは関係なく営業で結果を出せるようになります。
次に、2つ目の原因として、、、
売れている営業がスランプになる大きな原因の一つに「トークに飽きている」という状況があります。
本人は気が付いてないのですが、普段使っている「営業トークのマンネリ化」が起き、同じトークでも伝わりが悪くなっているのです。
たとえば、営業には、
「確実に相手の同意を取るトーク」
「確実に相手の興味を引きつけるトーク」
などがありますが、それも全てはそのトークの使い手の感情が「トークに乗ったとき」に最大の効果をもたらします。
もちろん、最初から興味津々の超Aクラスの見込み客であれば、セリフのようなトークでも、ある程度は効果があるでしょうが、お客はそんな客ばかりではありませんよね。
「お客に伝わる」というのは「言葉」ではなく感情がもたらすもの。
簡単に言えば、あなたが「良い」と思ったことが、相手にも「良い」と伝わるのです。
その感情が乏しくなったとき、途端にトークは、その「力」を失います。
そして、長いスランプ状態に陥ってしまうのです。
お客は「人間」です。
そして人間は「感情」の生き物です。
特に高額商品を扱っている人に言っておきたいことがあるのですが、お客は商品を購入するだけなのではありません。
お客は「自分の人生」をも購入しているのです。
マイホームもリフォームも保険も、高額の商品は特にそうですが「営業の人生観」と「お客の人生観」が共鳴したときに、お客は「契約を決断する勇気を得る」のです。
それが、決断の大きなきっかけになるのです。
私に言わせると、お客が決断をする理由は決して商品や価格だけではありません。
そして、最後の3つ目は、、、
スランプになるのは、ある程度の期間、営業をやっている人です。
もし、あなたもそうであれば、商談やクロージングなど、あなたなりの「トークの流れ」が出来ているはずです。
そのトークの流れに慣れが出てくると、気がつかないうちに「必殺トーク」を省略してしまったり、無意識に「売れるトークの効果」を半減させてしまうようなことをやっていて、スランプ状態に陥ることは少なくありません。
ですから、スランプになったと思ったら、まずやるべきことは、
「基本に戻る」
これに尽きます。
ある程度売れているのであれば、自分の基本がどんなトークか分かっているはずです。
そこに戻るのが、もっとも手っ取り早い。
まず、今のトークと売れていた時のトークを比較して「抜けているトーク」が無いかどうかを確認してみましょう。
たとえば、、、
【初めて契約してくれたお客の話】
をしていたけど、最近はしてないな~
とか、
【分かりやすく伝えるため、例え話】
をしていたけど、最近はやってないな~
とかね。
もしかすると、そのトークには、あなたが思う以上の効果があったのかもしれません。
ですから、どれほど些細なトークであっても、一切の手を抜かず、売れていた時のトークをすべてちゃんと使ってみることが大切です。
あなたの何気ない一言が、契約への大きなキッカケになったりしていることは少なくありません。
スランプになった時、まず初めに、
『焦ることなく落ち着き、深みにハマらないようにすること』
そして、
『考えられる「3つの原因」に対して対処すること』
それらが大切だということを、ここまではお話ししました。
では、最後に・・・
あなたが「あなた自身でスランプから卒業する方法」をお話ししようと思います。
あなたが自分自身でスランプから卒業するために。
最後に、、、
ところで、あなたは、スランプに陥った時「売れない理由」を考えましたか?
おそらく、考えましたよね。
では「売れない意味」を考えたことは?
「売れない意味?」
そう。
売れないという「結果」には、当然ながら「売れない明確な理由(原因)」もありますが、
もうひとつ「売れない意味」もあるのです。
あ、そうそう、その前に・・・
ちなみに、今から話すことは、無理に信じる必要はありません。
でも、もし、あなたが「二度とスランプになりたくない」と思うのであれば、私の経験が少しは参考になるかもしれないと思ったので、簡単にお話ししておきますね。
よろしいですか?
では、話を戻して・・・
売れないという「結果」には「売れない明確な理由(原因)」もありますが、
その根底には「売れない意味」というものがあるのです。
そして、あなたが、その意味に気付き理解することで、ようやく本当の意味で
「売れない現状」から「卒業」できるようになります。
勘違いしないでくださいね。
スランプから「抜け出せる」ではなく「スランプからの卒業」です。
つまり、二度とスランプになることは無いという意味です。
これを逆に言えば、
根底にある「売れない意味」を理解していないから、何回も「売れない現状」が起きてるだけ。
ということです。
例えば、、、
あなたが「スランプの原因」を「今使っているトークの問題」と推測したとします。
では、どうすればいい?
そうですね。
おそらく、トークの改良や改善を考えるだろうと思います。
しかし、実はそれだけでは、またスランプになる時が来るのです。
なぜなら、売れない意味が分かっていないから。
「なぜ、今、自分は売れない経験をしてるのか?」
「その意味は?」
そう考えてみると、様々な想定が出てくると思います。
たとえば・・・
- 自分の中途半端な弱い意志を改善するため。
- 表面の言葉で動くほど客(人)は馬鹿じゃないと学ぶため。
- 行動しない限り、何も変わらないと学ぶため。
- 「開き直り」を身につけるため。
- 想像力の足りなさを自覚するため。
- 自分の甘えを捨てる必要を実感させるため。
- 逃げる限り、悩みも苦しみも消えないと学ぶため。
- お金の大切さを学ぶため。
などなど。。。
今、あなたが「売れない経験をしている意味」が分かれば、改善するポイントが小手先から「本質」に変わります。
そのように、本質を理解して、改善すれば同じような課題が起きることは二度とありません。
これこそが本当の意味での「卒業」です。
一人の時に、素直になって。自分自身に、問いかけてみましょう。
「なぜ、今、自分はこのような経験をしてるのか?」
「この経験の意味は何なのか?」
答えは、あなたの中にあります。
さて、いかがでしたか?
人生でも営業でも、何かしら起きるとき、そこには必ず理由(原因)があり意味があります。
なぜなら、その人にとって意味のないことは、その人の人生では何一つ起きえないからです。
私はそうやって考え続けて、ここまでやってきました。
もし、今、あなたがスランプに苦しみ、八方ふさがりで悩んでいるとしたら、一度、このように考えてみてはいかがですか?
もしかしたら、これまでとは全く違った答えが出ることで、今のあなたの悩みや苦悩が根本から解決されるかもしれません。
頑張ってくださいね。
実はどうしても相談したいことがありメールさせて頂きました。
これまで会社の中でも、ある程度順調に売れてる方だったのですが、
最近、思ったように結果が出ずにスランプの日々が続いています。
原因が何なのか分らず気持ちばかりが焦ってしまいます。
こういう時の対処法などあるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。